墓じまいをするときのマナーや服装は?
墓じまいのときは、どのような服装で行けばいいのか迷っている方も多いと思います。また、墓じまいをする際は準備するものが多くあるため、事前に知っておく必要があるでしょう。この記事では、墓じまいに適した服装やマナー、準備するべきものにいついて解説します。
墓じまいのときの服装は?
墓じまい法要の洋服は、平服で問題ありません。閉眼供養に立ち会うのが身内だけの場合は、きっちりとしていない平服の着用が目立ちます。ただし、いくら身内だけで集まるからといって、ジャージや半袖半ズボンなど、ラフすぎる格好は控えるようにしましょう。
また、お寺の本堂などに足を運び、墓じまいする際は、喪服を着用したまま参列する方もいます。しかし、マナーで決まっているわけではありません。そのため、墓じまいのときの服装は、周りと相談して決めることがおすすめです。そのほか、天候や季節によって服装を変えることもできます。
夏に適した服装
閉眼供養を行う季節が真夏の場合、男性の方は、上半身はワイシャツでも問題ありません。ただし、柄や色など、相手に不快感を与えない格好ではないか気をつけるようにしましょう。女性の方は、順喪服のワンピースを着用するといいでしょう。しかし日差しが強く、汗をかいてしまう場合は、地味な色をしたシャツやブラウスでも問題ありません。
冬に適した服装
閉眼供養を冬に行う場合は、グレーや黒など、地味な色のコートやダウンジャケットを着用しても問題ありません。ただし革製や毛皮のものは殺生を連想させるため、着用しないようにしましょう。
雨の日に適した服装
雨が降ったからといって、服装を変えることは許されていません。そのため、雨が降っている日に閉眼供養がある場合は、略喪服や準喪服を着用しないように注意が必要です。また、傘をさす場合は、黒色のものやビニール傘などを使用し、派手なデザインは控えるようにしましょう。そのほか、墓前にタープテントやパラソルを立てると、雨を防ぎながら閉眼供養が行えます。
お墓が山奥にある場合の服装
お墓が山奥にある場合や足場が悪い場合は、歩きやすい服装を着用しても問題ありません。なぜなら、服装にこだわりすぎたあまり、怪我をしてしまうことが考えられるからです。また、歩きやすい服装で行くべきかわからない場合は、寺院に相談するといいでしょう。
墓じまいのときにお供えするものや準備しておくものは?
墓じまいの閉眼供養では「お布施」「供花・供物」「ろうそく・線香・数珠」「香典」を用意する必要があります。ここでは、それぞれの役割やマナーについて解説します。
お布施
墓じまいでは、閉眼供養のためにきてくれた住職に、お布施を渡すのがマナーです。金額の相場は3万円~10万円ほどといわれていますが、明確な決まりはありません。そのため、寺院に直接訪ねることがおすすめです。
供花・供物
墓前に供える花や供え物を用意する必要があります。供え物には、決まりはありませんが、お菓子や果物が人気です。また参列者であり、体裁を整えたお供えをしたいと考えている方もいると思います。そのような場合は、品物に、包装とのし紙をかけたものを用意する必要があります。表書きに「卸供」と書けば問題ありません。
ろうそく・線香・数珠
墓前で灯す線香やローソクを用意する必要があります。線香やろうそくは、市販で売られているもので問題ありません。また仏教では礼拝をする際、必ず数珠を手にかけるので覚えておきましょう。
香典
墓じまいは、香典が不要であることがほとんどです。なぜなら、墓じまいに立ち会うのは、家族だけであり、一般参列者がいないからです。しかし、参列者として閉眼供養を行う場合は、香典を用意するようにしましょう
お供えの置き方や作法
お供えをする際は、置き方や作法が決まっています。五供の正しいお供え方を紹介します。
水のお供え方
水をお供えする際は、お墓に付属している水鉢から注ぐようにしましょう。また、お供えする水は水道水やミネラルウォーターでも問題ありません。ただし、お供えする水と掃除に使う水は、別に用意する必要があります。そのほか、お供えをする前に、墓石の掃除は済ませておきましょう。
花のお供え方
花は付属の花立にお供えします。花を飾る際は、2つの花束を一対で飾ります。また1つの花束を作る際、本数は「3本」「5本」「7本」と奇数で揃えるようにしてください。色も奇数でまとめられる場合は「紫・黃・白」や「白・ピンク・赤・紫・黃」のように揃えます。花の形を整える際は、一番高さがあるものを中心に、ひし形になるように切っていきましょう。
基本的にお供えする花は、菊や小菊です。棘のある花や毒のある花、ツルがある花は控えてください。ただし、故人が好きなお花であればお供えしても問題ありません。
飲食のお供え方
お花のお供えが終わると、次は飲食です。飲食のお供えは、故人が好きだった食べ物や季節の食べ物でも問題ありません。基本的に飲食のお供は、花立よりもひとつ奥側の石材に置きます。そのほか、一番手前側にお供え台が設けられている、お墓もあります。お供え物は直接墓石に置いてはいけません。また、仏事の場合は、魚や肉など、殺生を連想させるお供え物は控えましょう。
灯明のお供え方
ろうそくはろうそく立てにお供えします。直接ライターやマッチでつけても構いません。ただし消す際は息を吹きかけず、手で仰いで消すようにしましょう。
香のお供え方
お線香は、お墓に付属されている、香建てや香炉にお供えします。火をつける際は、ろうそくからもらいます。ろうそくとは違い、直接ライターやマッチからつけることは控える必要があるので注意しましょう。また、線香が燃えて火が出たら、手で仰ぐか線香を縦に振って火を消しましょう
墓じまいの服装は、平服を着用すれば問題ありません。また、季節によって変えられます。そのほか、墓じまいをする際は、準備するものが多くあります。そして準備するだけではなく、お供えものをするマナーも知る必要があるでしょう。ただし、お供えものをする際は、マナー違反であっても、故人が好きな食べ物や花であれば問題ありません。わからないことがある場合は、一度、寺院に相談するといいでしょう。