墓じまいをするタイミングはいつが最適?適さない時期もある!
墓じまいをしようと決めたものの、一体どのタイミングで行えばよいのかと迷うケースはよくあります。ご先祖さまが眠るお墓を撤去するのは重大なことですから、墓じまいに適さない時期や季節があるのでは…と悩んでしまう人も。今回は墓じまいのタイミングについて、どのように決めるべきか、適さない時期はいつなのかを詳しく紹介します。
墓じまいをするタイミングはいつが最適?
墓じまいをするタイミングに特別な決まりはありませんが、墓石を解体してお墓を撤去する工事が滞りなく行える時期を選ぶことが大切です。たとえば雨の多い梅雨や豪雪地帯の冬場などは工事を行える日が限られていて、予定を決めても延期になったり中止になったりとスムーズに進まないことが考えられます。
また、お盆やお彼岸、年末年始など墓地にお参りに来る人が多くなる時期は避けなくてはいけません。
墓じまいのタイミングを決める方法
墓じまいに最適なタイミングは気候が穏やかで雨や雪の影響を受けにくい季節です。3月から5月下旬の春から梅雨入りまでか、梅雨が明けた7月下旬頃から12月の上旬頃が適しているとされています。
ただ、雪の降らない地域であれば真冬でも大丈夫ですし、梅雨の時期は地域や年ごとに違いますよね。ですから、実際に工事を発注する際には墓じまいの実績がある石材店と相談してアドバイスを聞きながら決めるようにしましょう。
墓じまいに適さないタイミングはある?
墓じまいをするべき日時はないですが、適さないタイミングはやはりあります。
まず、先ほどもご説明しましたが梅雨の季節や雪の多い季節など工事が難しくなるタイミングです。墓じまいの工事では重い墓石をクレーンで吊り上げて撤去しますから、雨が降ったり雪が積もっている状態では危険が伴います。ご先祖さまの供養のための工事では何よりも安全を優先するべきです。少しでも心配の種がある時には避けた方がよいでしょう。
そしてお盆やお彼岸、年末年始などは墓地にお参りに来る人が増えます。工事の日に墓地内にお参りに来ている人がいると、落ち着いてお参りができなくて迷惑がかかってしまいます。偶然居合わせてしまうのは仕方ありませんが、できるだけお参りの人が少ない時期を選んだ方がよいですね。
墓じまいの流れ
墓じまいにかかる時間には、工事までの事前準備としてかかる期間と、当日にかかる作業時間の2種類があります。どちらにしても「思いついたらすぐできる」というものではありませんから、余裕を持って取り掛かるようにしましょう。
墓じまいの手順
墓じまいの事前準備には4つの手順が必要です。まず1つ目は家族や親族、墓地管理者と話し合って墓じまいの合意をとり、みんなが納得する形を作ります。この段階で話がこじれているのに強引に進めると、後々トラブルになる可能性があるので要注意です。
次に2つ目はお墓の中の遺骨を別の場所に移すための「改葬許可申請」を市区町に届け出ます。申請を出す時には、お墓から取り出した遺骨をどこに移動させるのか書き込む必要があるため、それまでに移動先の納骨堂などを決めておかなくてはいけません。
3つ目は墓石の撤去工事をお願いする石材店を決めます。とくに指定されていない時は墓じまいに実績のある石材店をいくつか選んで見積もりをだしてもらいましょう。
4つ目はお墓から取り出した遺骨のお手入れです。お墓で長い年月を過ごしていますから、状態によっては骨壷に水が入ったりカビが生えたり傷んでいることが多くあります。遺骨の洗浄と乾燥は専門業者に依頼するのが一般的です。骨壷が割れたりヒビが入っている場合はこの機会に新調しましょう。
こうした4つの行程が墓じまいの事前準備として必要です。スムーズにいけば1ヶ月ほどですが、話し合いで揉めてしまったりよい業者がなかなか見つからない時には長い期間がにかかる場合があります。
墓じまいの閉眼供養と墓石の撤去にかかる期間
いよいよ準備ができたら墓じまいを始めることになります。
墓じまいには閉眼供養と墓石の撤去工事という2つの工程がありますが、1日でどちらも行うとなると時間がかなりかかりますし、閉眼供養をお願いする僧侶と工事を行う石材店、立ち会う親族など、多数の人が集まれる日を設定するのが難しい面もあります。そのため、閉眼供養と撤去工事は別の日に行うケースがほとんどです。
閉眼供養にかかる時間は数充わから1時間程度です。墓石の撤去作業には丸1日をみておいた方がよいでしょう。山の斜面にあるお墓など、立地によっては工事に数日間かかる場合もあります。こうした理由から、閉眼供養から墓石の撤去完了までには1週間程度を目安に考えておくとよいですね。
墓じまいにはさまざまな準備や手続きが必要ですから、できるだけ体調のよい元気なタイミングでやっておくと、後になって「あの時にやっておけば…」と後悔せずにすみますね。墓石の撤去工事を安全に行うために、気候の穏やかな季節を選んで早めに工事予約を入れておくと安心です。